みおまよ

今更聞けない!「ウィッグセットの基礎」~ブロッキング・カット・スタイリング剤の使い方までプロが徹底解説~

みおまよウィッグ解説-前編

ウィッグのハウトゥー記事などで当たり前に出てくる「ブロッキング」などの用語。
イマイチどんなウィッグにどんなスタイリング剤を選べばいいのか…
普通のカットバサミとスキバサミはどう使い分けるの?
ウィッグカットの「今更聞けない…」を美容師免許を持つ現役コスプレイヤーが徹底解説!

ブロッキング

「ブロッキング」とは、毛をカットする際に作業しやすいよう、いくつかのセクション毛をブロック分けすることを指します。

これをすることで、作業のしやすさや全体的な仕上がりのクオリティがグンと増すのです。

ブロッキングをするメリット

1. 作業がしやすくなる

→ 毛を整理して分けることで、「今切りたい毛」だけを取り分けることができたり、ブロッキングの段階で毛足りない箇所(植毛が必要な箇所)などが視覚的にわかるため、作業が効率的に進見ます。

2. 仕上がりが均一になる

→ ブロックごとに使える毛の配分などを予め決めることができるため後から足りなくなるなど、失敗を未然に防げます。

3. 作業の時間短縮

→ 無駄な動きを減らし、効率よく作業できます。

  • ブロッキングのやり方

〈準備するもの〉

・ワニクリップダッカール・テールコーム

〈手順〉

①まずはテールコームで分けたいところを裂きます。

②取り分けた毛をダッカールで留めましょう。

〔動画〕

 

これを繰り返し、ブロック分けしていきます。

⏬オススメのダッカール⏬

普通のダッカールだと毛が滑り落ちてしまうときはワニクリップタイプがおすすめ!

毛をしっかり掴んでくれます。

⏬おすすめのテールコーム⏬

テールコームはできるだけお尻が細いものを選ぶと毛がかき分けやすいでしょう。

また、折りたたみ式のものは作業中に折れてしまいストレスになるため推奨しません。

カットバサミ「シザー」と、スキバサミ「セニングシザー」

シザーとは?

「シザー(Scissors)」とは、美容師や理容師が使用する髪を切るためのハサミのことです。通常の家庭用ハサミとは異なり、刃の形状や鋭さが髪を切るのに適した構造になっています。美容シザーは、カットの技術や用途によってさまざまな種類があります。

 


 

セニングシザーとは?

「セニングシザー」とは、髪の量を調整するためのすきバサミのこと。

刃の片側または両側にギザギザの刃があり、一度にすべての髪を切らずに、一定の割合で毛を間引くことができるのが特徴です。

初心者で、毛がパッツンになりやすい人はまずセニングシザーから使ってみるとよいでしょう。

 

  • シザーの使い方

親指と薬指をリングに入れ、小指はハンドルの支えに置きます。

• 人差し指と中指でハサミを支え、安定させます。

• 親指だけを動かして開閉するのが基本。

〔動画〕


 

  • セニングシザーの使い方

 シザーと同じように持ち、親指だけを動かして開閉する。

• 毛の根元付近で使わない:毛先〜中間に入れることで、自然な仕上がりになります。

• 毛の内側で使う:表面ではなく内側にセニングを入れると、毛量を減らしつつまとまりやすくなります。

一度に何回も入れすぎない:やりすぎると毛先がスカスカになり、まとまりが悪くなるので少しずつ調整しましょう。

 

〔動画〕

 

熱の使い方

 

ドライヤーやヘアアイロンを使うと、毛先のハネやウェーブなどの表現ができるようになります。

ドライヤーやアイロンで熱を加えたら、ハネやウェーブなど作りたい形を指で作り、その形をキープしたまま冷ましま

 

ウィッグはナイロンなので、熱を加えた後、冷ますことでその形をキープすることができます。”冷ます”工程を忘れないで!

 

〔動画〕

スタイリング剤の種類と違い

  • ハードスプレー

「ケープ」や「ギャツビー」などのドラッグストアでも買えるものや、ウィッグ専門店アシストウィッグのオリジナル商品「カチカチくん」など様々。

ウィッグ専用のスプレーはウィッグセット時に使用し、かぶった後の調整をケープなどの人の肌にも比較的優しいスプレーで施すことを推奨します。

メリット・デメリット

ハードスプレーのメリットはセットした後もコームでとかせばリセットすることができます。ただしとかすとスプレーが白い粉になることがあるのでスプレーでフィックスさせる判断は慎重に。

  • ワックス

スプレーでフィックスさせてしまう前に、ワックスなどである程度形を作ることを心配性の人にはおすすめします。

またワックス特有のツヤ感なども出るため、ツヤを出したいときはワックスを使うとよいでしょう。

メリット・デメリット

ツヤが残るので自然なイメージのスタイリングに向いている。ワックスはスプレーに比べるとテクスチャが固くて重い傾向にあるためつけすぎると崩れやすくなることも。最後にスプレーをかけてフィックスさせる必要があります。

まとめ

最初は誰でもうまくできるものではありません。うまくブロッキングできなかったり、毛をぱっつんに切ってしまったり、全然クセがつかなかったり、スタイリング剤の使い方を間違えてしまったり…何度も練習や経験を積み重ね、美しいウィッグが作れるよう一緒にがんばりましょう!

 

 

 

 

ABOUT ME
miomayo
世界コスプレサミット2024に優勝し、世界王者に輝く。同大会で2018年にも日本代表となり、今回で2回目の出場。 国内内で活動しており、コスプレの「衣装やウィッグ作り」「パフォーマンス」など幅広いジャンルで常に高みを目指して、ポジティブに活動しており、そのスタイルが様々なコスプレイヤーさんに支持していただけています。 これからもコスプレイヤーさんの「楽しい」を引き出せるよう活動していきたいです。
【東京都内】池袋・渋谷などの撮影向けスペース