今回は1年半で50,000枚ほどのポートレート写真を撮ってきた編集部が、意識することで写真のクオリティが飛躍的に上がった知っておくべきことを3つご紹介します。
一眼レフカメラを買ってはみたものの、「何か違う」「何かしっくりこない」「何か足りない」と困っている方向けの記事になります。
それでは、みていきましょう。
「カメラ設定」を知ろう!
パソコンを新しく買った時にネットワークの設定をするように、一眼レフカメラも「カメラとして何が設定できるのか」を理解することが重要となります。
カメラの設定のポイントは「光」となります。
シャッター速度(まばたき)
1/100や1/200、1/500、1/3000と表記されているのがシャッター速度とよばれているものです。
1/100はどれくらいの時間、シャッターが開いているかを表しています。
人で例えると「まばたきをどれくらいのスピードでするか」という事です。
1/100の場合
60秒×1/100=0.6秒
0.6秒間シャッター(目)が開いています。
1/500の場合は
60秒×1/500=0.12秒
0.12秒間シャッター(目)が開いています。
よってシャッター速度1/100の方が、長い時間シャッター(目)が開いているため光を取り込む時間が長くなり明るくなります。
そのため、シャッター速度(まばたき)は遅い方が明るくなり、早いほど暗くなります。
具体的な数値でいうと、直射日光時で1/800~1/1000くらいが良いとされ、室内や暗い所では1/50〜1/100くらいで撮ると良いでしょう。
ここで注意しなければいけないのは、シャッター速度が遅すぎると写真がブレてしまうということです。
ポートレート写真でいうと、動きの多い被写体さんの場合はシャッター速度を早くして、ピタッと止まってくれる被写体さんにはシャッター速度を遅くして光の調節をするのが望ましいでしょう。
ISO感度(光の受け取り度合い)
IS0100や、ISO200などと表記されるのはISO感度というものです。
ISO感度は、カメラの中で光をどれだけ増幅するかを表したものになります。
人間の目でザックリ例えるなら、「暗い所でだんだん目が見えるようになる現象」を精密に値として調節できるようにしたのがISO感度です。
そのため、ISO100の時よりISO200の時は2倍光を増幅させるので、値が大きいほど明るくなります。
通常、外で撮影する際はISO100程度が望ましいでしょう。
太陽の光はとても強いので、光を増幅させすぎると光が多くなりすぎて白く映り、被写体さんが映らなくなってしまいます。
室内の場合はどんなに暗くてもISO800程度に抑えるのが理想的です。
暗いからといってISO感度を上げて光を増幅させすぎるとブレの原因になってしまいます。
F値=絞りは「まぶた」
F1.8やF2.8などと表記されるのはF値もしくは絞りとよばれるものです。
F値や絞りを人間で例えると「まぶた」に近いものです。
F1.8は「まぶた」をちょこっとだけ閉じるので光の取り込む量が多くなり明るくなります。
反対に、F10は「まぶた」をいっぱい閉じるので光を取り込む量が少なくなり暗くなります。
F値はポートレート写真が上手くなるもっとも重要なポイントの1つでもあります。
それは「ボケ感」です。
F値は小さいほど背景のボケ感が強くなり、このボケ感こそがポートレート写真の良さを決めてくれます。
ポートレート写真を撮り慣れてない方はF値がF8やF11のままで撮ってしまうことがあります。
ポートレート写真を上手く撮りたいのであれば、F値は2.8以下がおすすめです。
こう言われていざ設定しようとしてもF2.8まで下げられません!!
という方、大丈夫です。
私もカメラを始めたての時F11の標準レンズで「何か撮りたいものと違うし、F値とかいうの下げれないじゃん」と悩んでいました。
それを、解決するのがレンズです。
「レンズ」を知ろう
ここまで「光」をキーワードにカメラの設定についてお話してきましたが、そもそも今ついているレンズがポートレート写真に適しているかいないかがとても重要です。
カメラのレンズは大きく分けて2種類あります。
- 単焦点レンズ
- ズームレンズ
レンズに「〇〇-〇〇mm」と表記されていればズームレンズ。
「〇〇mm」と書いてあれば単焦点レンズです。
始めたての初心者さんはズームレンズでポートレート写真を撮ることがあります。
しかし残念ながらズームレンズではF値が下がりきらずボケ感のない=被写体さんが際立たない面白みのない写真になってしまいます。
具体的にはF2.8くらい下げることができる単焦点レンズがおすすめです。
被写体さんと背景のバランスも良く、F8の標準レンズを使っていた頃のものよりも格段にクオリティが上がりました。
今回はザックリ2種類で分けましたが、ポートレート写真を撮り慣れてきて写真に奥行を持たせたい方は、単焦点レンズでも
- 超広角単焦点レンズ
- 広角単焦点レンズ
- 標準単焦点レンズ
- 中望遠単焦点レンズ
- 望遠単焦点レンズ
- 超望遠単焦点レンズ
- マクロ単焦点レンズ
このように分けることができますので、単焦点レンズを極めていっても楽しいかと思います。
ちなみにズームレンズでも以下のように分類されます。
- 超広角ズームレンズ
- 広角ズームレンズ
- 標準ズームレンズ
- 望遠ズームレンズ
- 高倍率ズームレンズ
両者とも、雰囲気が違う「魚眼レンズ」などもあります。
このようなレンズたちは、決して安くはない一眼レフカメラをさらに楽しくさせてくれるアイテムの1つと言えるでしょう。
「構図」を知ろう
カメラの事がわかってきたら今度は、いざカメラを構えて「撮る」という工程になります。
ここでも、知っておくべきことを紹介していきます。
基本構図は「三分割構図」
三分割構図は、画面を縦横に三分割した線を引き、線が交わる交点に被写体さんを置くというものです。
とてもバランスよく構図が決まります。
また、水平線など画面に強い線があったら三分割の線と重ねて配置する事で、空と人、海のバランスが引き締まります。
風景、スナップ、テーブルフォトはもちろん、ポートレート写真にも使える万能な基本構図です。
流れを活かす「対角構図」
三分割構図の次に使いやすいのが対角構図とよばれる構図です。
写真内に斜めの線を意識し、被写体さんや背景を配置するととても印象が良くなります。
大きい交差点などこ街角スナップなどに使うと、写真に大胆さが加わってカッコイイ印象になります。
困った時の「日の丸構図」
しない方がいい構図の代表として知られる「日の丸構図」です。
単純な構図で、画面の中心に被写体さん(特に顔)をドカンッ!と置くだけで完成します。
一見単調に見える構図ですが、
被写体さんの魅力を最大限に伝えられる私はとてもお気に入りの構図です。
単純な構図なだけに日の丸構図は難しいと言われます。その理由は、写真の真ん中に被写体さんが置かれるので、写真の左右がどうしても無駄な空間となってしまうからです。
中途半端に日の丸構図を狙うと、バランスが崩れた面白みのない写真になってしまい、一眼レフ初心者はできる限り余白を意識して日の丸構図に挑んでみると良いと思います。
チャレンジすると構図のバランス感覚が身について、無意識に構図が決まるようになっていきます。
日の丸構図で作品をつくるポイントとしては、なんといっても被写体さんに存在感があることです。それに加えて、背景が無地だととてもベストです。
まとめ
一眼レフカメラ買いたての初心者さんがポートレート写真を上手く撮る時に、知っておく事は3つです。
1つ目は、「光」をキーワードにした「カメラの設定」
2つ目は、設定を活かした「レンズの知識」
3つ目は、全てを踏まえた被写体さんと背景の「構図」
この3点をふまえて、より素敵なポートレート写真を作っていきましょう!